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第1話「甲州ワインの変遷」(前篇)


「甲州ブドウの性質」

  「甲州」はピンク色をした厚い皮を持つ大きめの果粒が、隙間を開けて房を形作る美しいブドウ。その皮の淡い色素は、ブドウにとって環境に対する抵抗力を高める物質の1つとして考えられています。又、厚い皮や、大きく開いた果粒間の隙間も、湿度が高い日本で病気にかからない為にブドウ自身が環境に合わせて変化したものと見られています。
 一方、山梨県は温暖で年間の降雨量が少なく湿度が低い場所。ブドウ収穫期の台風襲来も比較的少ない県です。それと同時に山地が多く、やせた水はけのよい土壌が多く分布している土地柄。中央アジアの乾燥地帯で生まれ育ったヴィニフェラ種をルーツに持つ「甲州ブドウ」にとって、日本の中では適した環境だったと推察できます。
 加えて、山梨県(甲斐国)が江戸という果物の消費地に近距離にあったことによる、高い需要に応えるために行われた人為的な系統選抜(クローン・セレクション)が、環境に適応した「甲州ブドウ」を生んだのではないでしょうか。
 ヴィニフェラ種にとっては、高温多湿で酸性土壌という過酷な自然。その日本の環境に適応した「甲州ブドウ」は、生食用果物としては人気を博しましたが、残念ながらワイン用ブドウとしては不適切な性質を幾つか持っています。例えば、少ない香気と低い酸味。又、実離れが悪いピンク色の果皮は、果汁に色を付けると同時に、ワインに渋みを与えます。
それらの性質に加えて、ウィルスの影響で糖度が上がりにくい「甲州ブドウ」。欠点を克服し、海外の専門家も認めた高品質なワインが出来るまでには、高い志を持つ研究者と生産者による、数多くの試みが繰り返されたことは想像するに難くありません。
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