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第一話「ワインと料理のマッチング 前篇」(小さな考察)

マリアージュはコミュニケーション


“私は、料理とワインの組み合わせについていろいろと講釈をたれるひとが嫌いです。”

この言葉は私が尊敬するワインについての論客、堀賢一氏の名著「ワインの自由」(集英社刊 1998年発行)の「料理とワインの相性」の章、213ページの記述です。ワインについての様々なトピックが論理的に執筆されたこの本は、今でも読み返す毎に、新しい発見を私に与えてくれます。
堀氏は「料理とワインの相性」の章の中で、文化的な背景を無視したマッチング提案や、ソムリエやワインの専門家が行う事細かな提案に反対の意見を表明しています。そして、その論旨は、元々、個人の嗜好にもとづく“料理とワインのマッチング”を客体化することはできないし、それらの提案は“ワインは難しいと考える”消費者をいっそうワインから遠ざけることにつながるというものです。又、ワインのマッチングは料理よりも、属人的要素の方が大きいと結論づけしています。

私はこの章を読んだ当時、氏の慧眼に感服しました。何故なら、私自身が「~は~でなくてはいけない」というルールと無縁なワイン生活と人生を送ってきましたので、日本の消費者がワインに“堅苦しさ”や“権威”を感じてしまっていることの結果、一般消費材になりきれていないことが良く理解できたのです。

とはいえ、今回の私のコラムのテーマは、ワインと料理の相性。そこでここでは、肩の力を抜いたマリアージュへのアプローチ方法を探ってみたいと思います。

 一つの考え方として、ワインと料理の相性をテーマに、食事中に同席者とコミュニケーションをすることに努めるならば、一方的に講釈をたれるにはあたらないと言えるかもしれません。例えば、「私の好みは~だけど、あなたはどう思う?」と相方に語りかけてみるとか。そのためには、相手の好みに理解を示すことや、自身の好みを知り、正確に伝えられることは基本。会食のコミュニケートを促すために、卓上に何かの仕掛けを置くのも良いと思われます。

食文化の文脈を無視するワインのマリアージュは、確かに持続性に欠けるきらいがあります。実効性のある提案は、地域に根差したものでなければなりません。しかしながら、今や食卓の多国籍化は避けられないこと。実際に、日本のカップルは20組に1組が国際結婚です。毎日、沢山の食卓で行われている中国や韓国や東南アジアの国々の人々との異文化交流を考えると、日本の飲食の伝統を守ることは大切ですが、時代と共に移ろうことも必定と思われます。

ワインのマリアージュを窮屈と思えるのは、人々が常に、正解を求める傾向があるからなのかも知れません。“恋愛”や“結婚”も“ワインと料理のマッチング”も、その相性は千差万別と思えれば、トライすることに躊躇する必要は何もないのだと分かってきます。又、友と語り合うのも、自分ひとりで納得するのも、場の空気を読めば、その楽しみ方は個人の自由。それに今では専門家の権威を借りずとも、誰でも手軽に情報を検索、そして発信することができます。普段飲みのワインと食事をツイートするだけで、世界中とコミュニケーションできる時代なのですから
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